著者:くまねこ【管理人】https://x.com/kumaneko417?s=21
2025年5月2日にリリースされた「Mine or Yours」。
ファン歴10年の筆者ですが、とにかくこの曲が好きすぎるんですよね。。
「宇多田ヒカルの曲で何が一番好き?」という質問は人生最大の難問だったわけですが(多くの界隈のオタクの方にも共感いただけるんじゃないかと)、
リリースから約3週間が経った2025年5月27日現在、「Mine or Yoursが一番好きです!」と力強く答えられるような気すらしています。
なのでこの記事ではつらつらとMine or Yoursの魅力について語ってみようかと。
”歌詞解説・考察”というと胡散臭い記事が多いのでタイトルに入れるか迷ったんですが(笑)、
”歌詞の好きな部分の紹介”と”自分が感じたこと”を伝えるのをメインテーマにしようかと。
ぜひ最後までお付き合いください。
Mine or Yoursは今の宇多田ヒカルの”最高到達点”
「綾鷹のCM曲」「宇多田ヒカル初のファーストテイク出演曲」「斬新なMV」ということで注目を集めたMine or Yours。
歌詞の中で”夫婦別姓”に触れたことで炎上(残念ながら)するような形でも大きく話題に。(この部分は後ほど触れます。)
まずは改めてMVとファーストテイクの動画をご紹介。
音楽のプロではないので偉そうなことは言えませんが、
メロディも歌詞もコーラスも編曲も歌唱も、MVもファーストテイクのパフォーマンスも、綾鷹タイアップとしての完成度も、
全てにおいて宇多田ヒカルの、いや、現代日本の芸術作品の最高峰と言えるのではないかと。
(見逃されがちだと思いますが、コーラス(ハモリ)がめちゃ美しいです。ぜひ一度意識して聞いていただきたい)
同じく宇多田ヒカルファンの弟の言葉を借りるなら、
「イントロ聞いただけでブルっちまった」
という感じです。
(酔ってたので変なテンションです(笑))
歌詞全文
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ruOh,昨日の僕は
僕が思う僕とはかけ離れていた
素直になれず君を泣かせるやつには
失望している自分を大事にできるようになるまで
なんにも守れないなにが食べたい? 店探すよ
元気出るまでダラダラしよう
なにか飲むかい? お湯沸かすよ
君はコーヒー 僕は緑茶、いつものTu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ruどの道を選ぼうと
選ばなかった道を失う寂しさとセット
令和何年になったらこの国で
夫婦別姓 okay されるんだろう冷めたら温め直せばいい
不安材料も味付け次第ずっと一緒にいたいけれど
毎日一緒はしんどいかも
なにかいるかい? 買って行くよ
君はコーヒー 僕は緑茶、いつものI love making love to you
掛け違えたボタン
一つ一つ外す
恐る恐る自由に慣れれば慣れるほど
不自由だって、どうして誰も
僕らに教えてくれなかったの
君はコーヒー 僕は緑茶、いつものTu-ru-ru-ru-tu-tu-ru (Mine or yours?)
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru (Mine or yours?)
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru (Mine or yours?)
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru (Mine or yours?)
Tu-ru-ru-ru-tu-tu-ru
好きなフレーズ
自分を大事にできるようになるまでなんにも守れない
めちゃくちゃ共感する!とかではないけど、「何色でもない花」の一説を思い出したフレーズ。
「何色でもない花」のラストは以下のフレーズで締めくくられます。
だけど
自分を信じられなきゃ
何も信じらんない
なにか最近の宇多田ヒカルの”テーマ”的なものを感じますよね。
哲学から量子力学などの物理学まで、学問的にも広くアンテナを張っている宇多田ヒカル。
デカルトの「我思う、ゆえに我あり」的発想に至ったのかなと、そんな風に想像します。
どの道を選ぼうと選ばなかった道を失う寂しさとセット
ここ。
本当に大好きです。
言ってることはありきたりといえばありきたりなのかもしれませんが、
「選択を迫られた際に、どちらかを失うことになる」
という事実に対して、
失われた”IFルートのようなもの”に着目するのではなく、
あくまで選んだ道、進んでいく道を主軸に考えている。
選ばなかった道を失う寂しさをセットにしながらも選んだ道を生きていく。
喪失感と自分の道を歩く力強さを同時に感じる、宇多田ヒカルの真骨頂と言えるような表現だなと思ってます。
令和何年になったらこの国で夫婦別姓 okay されるんだろう
まあここは触れざるを得ませんね。。
夫婦別姓反対派(過激派)がこの部分を切り取って叩きまくったわけですが、
この曲全体を見たときに、別に宇多田ヒカルは夫婦別姓を推奨しているわけじゃないと思うんですよね。
また後で触れますが、
自由に慣れれば慣れるほど
不自由だって、どうして誰も
僕らに教えてくれなかったの
とこの曲で歌っています。
なんなら夫婦別姓に反対してね?くらいの感じですよねー。
(夫婦別姓制度の是非について論じるつもりは全くありません。というか興味ありません。)
過去の”炎上”歌詞①「娘さんのリストカット」
ていうか宇多田ヒカルって、実は割とこういう(炎上ポテンシャルのある)歌詞を今までも書いてるんです。
日清カップヌードルとのタイアップ曲「Kiss & Cry」のデモでは、
娘さんのリストカット
という歌詞を入れたそう。ちょっと危険なフレーズですよね。
タイアップ相手が食品会社、ということが大きく、この部分は変更を余儀なくされました。
最終的にその部分は「お兄ちゃんのインターネット」と変更され、完成した歌詞は以下のようになりました。
お父さんのリストラと
お兄ちゃんのインターネット
お母さんはダイエット
みんな夜空のパイロット
孤独を癒すムーンライト
今日は日清CUP NOODLE
これは邪推かもしれませんが、
わざわざ「今日は日清CUP NOODLE」と歌詞に入れているところに宇多田ヒカルの意図を感じるんですよね。。
「歌詞変えられたんだよー」っていうささやかなアピールに見えるというか。
まあ宇多田ヒカルは固有名詞を歌詞に入れるのは好きなんで(最近だと「ウーバーイーツ」とか)、ほんとただの邪推かもですが。
過去の”炎上”歌詞①「将来、国家公務員だなんていうな 夢がないなあ」
また、「Keep Tryin’」ではこんな歌詞が。
将来、国家公務員だなんていうな 夢がないなあ
「愛情よりmoney」
ダーリンがサラリーマンだっていいじゃん
愛があれば
なかなかのパンチ。
こっちの方がよっぽど炎上しそうなもんですけどね。。(笑)
個人的には別に何も思いませんが、「この歌詞が好きじゃない」と言われたらあまり反論はできないかもです。。
以上、「熱狂的なファンだけど、何も無心で全肯定してるわけじゃないぜ」アピールでした。(笑)
冷めたら温め直せばいい不安材料も味付け次第
これはSNSで誰かが言っているのを見て、「そんな視点もあるのかー」と思った程度なんですが、
その方は「By My Last」の冒頭を思い出したと。
母さんどうして
育てたものまで
自分で壊さなきゃならない日がくるの?
かつてこう歌った宇多田ヒカルが「冷めたら温め直せばいい」と言うのが感慨深いと。
ふむ。
まあ他の人の意見なので、ご紹介程度に。
ずっと一緒にいたいけれど毎日一緒はしんどいかも
いやーこれね。
歌詞を何でも恋愛に変換して考えるのは良くないかもだけど(特に宇多田ヒカルに関しては)、
これに関してはもう完全に恋愛を連想してしまった。
めちゃくちゃ分かる~、と。
自分が恋愛苦手な理由を綺麗に言語化してくれた、そんな気分。
この、「自分で思ってることなのに言語化できてなかった」ことに気づかせてくれるのが、自分の場合は宇多田ヒカルとか椎名林檎、あとは宮本浩次あたりなんですよね。
小説家だと夏目漱石とか太宰治とかとか。(って言いだすと話がそれすぎるのでこの辺で。)
個人的にはこれが芸術作品を嗜む醍醐味だと思ってます。
宮本浩次の曲から、似たような感情を抱いたフレーズをご紹介してこの章を終わります。
俺は君を愛してるの?
それとも愛に憧れているの?
自由に慣れれば慣れるほど不自由だって、どうして誰も僕らに教えてくれなかったの
ここがこの曲の根幹なんじゃないかなと。
「自由に慣れれば慣れるほど不自由」
ってなかなか不思議な感覚じゃないですか?
「どうして誰も僕らに教えてくれなかったの」
からにじみ出る痛切さ。
難しい単語や表現ではありませんが、
ずっと考えてしまう、魅力的な詩だなと。
いろんなテーマが混ざりあったこの曲ですが、
「君はコーヒー 僕は緑茶、いつもの」を飲むことが、実は一番の自由なんじゃない?
と、宇多田ヒカルはそう言っているように思えるのです。
実は理解できていない、”Mine or Yours”というフレーズ
こんな長々と文章を書くほど大好きな曲なんですが、
実は一番大切な部分を理解できていない気がしているのです。
それが、タイトルにもなっている「Mine or Yours」というフレーズ。
結構考えたつもりですが、何のことを言っているのか正直分かりません。
これに関してはぜひこの記事か、筆者のXにコメントをいただけると大変うれしいです。
どんな意見でも、一言だけでも、大歓迎です。
直訳するなら、
「私のもの、もしくはあなたのもの」
この曲の雰囲気に合わせるなら、
「僕のなの?それとも君の?」
みたいな感じですかね。
まあバイリンガルである宇多田ヒカルの英語の詩を日本語に訳す、というのはかなりナンセンスな作業ですが。。
「僕のにする?君のにする?」
という、名字の話という説はありますが、
個人的にはあまりしっくりこないんですよね。。
そこがほんとに、タイトルにするほどのメインテーマなのかな??
わからん。
【ちょっと脱線】”I love you more than you’ll ever know”は日本語で表現できない
英語の詩と言えば、これまた話がそれるのですが、
「One Last Kiss」の、
I love you more than you’ll ever know
って日本語では表せない、美しい表現だなと思ってます。
(いやいやそんなことないよ、っていう英語博士の意見も聞いてみたい)
いやもちろん、英語文法としては簡単ですし、学校のテストに出たら和訳できますよ。
ただ、”I love you”と言い切れるのが結論ファーストの英語ならではだなと。
これに関してはほんと記事が1つ書けそうなくらい好きなフレーズなので、この辺にしておきます。。
終わりに
素人が長々と書いた文章をここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。
こんな感じの「オタク全開の記事」を自分もWebにブログ記事として残してみたい!
という方がもしいらっしゃたらこちらもXにご連絡ください。
一応本ブログのテーマは「宇多田ヒカル」「椎名林檎」「東京事変」ですが、強い要望があればそれ以外でも考えてみます。
こんな長文でなくても、
見出しとか引用とかつけなくても、
太字とか、本文の装飾をしなくても、
スマホで文章を書くだけでも、
熱い気持ちさえあればなんでもOKです。
少しでも気になった方はぜひお気軽にお問い合わせください。
それでは。